スポーツ教育学研究
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成人女性の投運動の観察的評価法に関する研究
油野 利博尾縣 貢関岡 康雄永井 純清水 茂幸
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1995 年 15 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

本研究では, 成人女性を対象にkinematicな分析を用いて評価項目と評価基準を設定することにより, 客観性の高い投運動の評価法を作成することを目的とした。
164名の女子大学生の投動作を側方からビデオ分析し, 動作要因7項目を独立変数, 遠投距離を従属変数とし, 重回帰分析 (変数増減法) を行った。その結果, ステップの長さ, 自由手の構え方, ムチ動作の巧みさ, 準備動作における脚動作の形態の4項目により, 投距離の分散の約67%が説明された。次に, これら4項目を観察しランク分けすることで, 遠投動作を評価する方法が考案された。この実験は, 8名の観察者が35名の評価対象モデルの遠投動作を観察し, 各評価基準項目ごとに164名の平均値を示すように描かれたモデルよりも「優れている」「判断できない」「劣っている」の3段階で評価をするものであった。再生スピードは実速, スローの2種類の再生スピードで行った。この結果, 本研究で考案された評価法は, 再生スピードにかかわりなく妥当性, 客観性, 信頼性を満たしており有効なものであると判断できた。

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