体育科の授業診断に関する基礎的資料を得るため, 小学校2学年の5学級を対象に著者らが作成した低学年用の態度尺度を指標に, 態度得点からみてすぐれていると診断された学級 (以下, 成功学級群とする) とそうでない学級 (以下, 失敗学級群並びに横ばい学級とする) とにおける実際の学習形態の相違が検討された。その結果, 成功学級群の学習形態は課題解決的な教材編成とそれにもとづく探求的・発見的な教授活動, さらには小集団的学習の複合体であることが認められた。これに対して, 失敗学級群のそれは系統的な教材編成下での一方的な提示・説明による一斉的学習であることが認められた。
他方, 横ばい学級では平板な提示・説明による一斉的学習が認められたものの, 教材編成については課題解決的な場合とそうでない場合とが混在した状態にあることが指摘された。
以上の結果から, 態度測定の診断結果と実際の学習形態との間には対応関係のあることが確認され, 態度測定による授業診断法は体育科の授業分析に対して適用性の高いことが実証された。