重症下肢虚血は, 末梢動脈疾患の中で最重症として分類され,その疾患構造より極めて予後不良とされている. 理学療法領域においても筋への血流供給が足りなくなり, 筋力低下を起こし歩行能力やADL能力の低下につながる. さらに, 潰瘍や感染を伴うことで下肢の大切断となれば, その方の生活にとってより多くの制限やQOLの低下につながることは必須である. よって, 理学療法の重要性が高いことは容易に想像できる. しかし, この領域での報告は非常に希少でありエビデンスの確立されたものはない. さらに, 外科的バイパス術後の理学療法介入においてもまた,その標準化されたものはない. また, 末梢動脈疾患は全身疾患と捉えるべきであり, 重症下肢虚血患者は多くの合併症を有している. これらのことより, 術後急性期の理学療法介入においては,早期離床に加え厳重なモニタリングと疾患特性を理解したリスク管理とプログラムが必要となる. 重症下肢虚血患者の術直後からの介入において, 理学療法士が虚血, 潰瘍や創傷, 感染の有無と状況を見極め, 医師を含めた関連職種に情報を共有し, 早期離床・早期歩行に繋ぐことができれば, “あし” 診療のチームに不可欠な存在となる.