日本フットケア・足病医学会誌
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第7回日本フットケア・足病医学会年次学術集会のご案内
特集:下肢静脈瘤,深部静脈血栓症治療の最前線
  • 小畑 貴司
    2026 年7 巻3 号 p. 199-205
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     慢性静脈疾患は, 下肢静脈瘤, 浮腫, 皮膚および皮下組織の変化, 静脈性潰瘍までを含む病態群であり, その要因には静脈逆流や閉塞による静脈高血圧だけでなく, 下腿筋ポンプ機能低下や活動性低下も関与する. 特に高齢者や歩行障害を有する患者では, 明らかな静脈逆流や閉塞を認めなくても, 長時間座位や下肢下垂を背景とする機能的静脈うっ滞から, 廃用性浮腫を呈することがある. 診療では, 問診, 視診や触診, 下肢静脈超音波検査に加え, 全身性疾患, リンパ浮腫, 薬剤性浮腫を鑑別し, 患者の「脚の使われ方」を評価することが重要である. 治療は, 器質的静脈疾患への介入, 圧迫療法, 身体活動の維持や回復を目的とした運動療法, スキンケア, 創傷管理を病態に応じて組み合わせる. 慢性静脈疾患の管理には, 多職種が生活機能と治療継続性を共有して支援することが不可欠である.

  • ―血管内焼灼術 (EVTA) と非熱非浸潤治療 (NTNT) の適応と実際―
    今井 崇裕
    2026 年7 巻3 号 p. 206-214
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     下肢静脈瘤に対する血管内治療は, ストリッピング術に代わる標準治療として確立され, 近年急速に発展している. 現在は, 血管内焼灼術 (endovenous thermal ablation : EVTA) に加え, シアノアクリレート塞栓術 (cyanoacrylate closure : CAC) を代表とする非熱非浸潤治療 (non-thermal non-tumescent : NTNT) が普及し, 治療選択肢はさらに拡大した. 本稿では, 最新の国内外ガイドラインおよび主要な臨床研究をもとに, EVTAおよびCACの治療原理, 適応, 手技, 治療成績, 合併症および最新のエビデンスを整理し, 両治療法の特徴と適切な使い分け, さらに今後の展望について述べる. 今後は, EVTAおよびNTNTデバイスの進歩に加え, AIなどのデジタル技術の導入により, 患者背景や解剖学的特徴に応じた, より安全で低侵襲かつ再現性の高い個別化治療の実現が期待される.

  • 孟  真
    2026 年7 巻3 号 p. 215-219
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis:DVT) は, 無症候または軽症の末梢型DVTから, 重篤な中枢型DVT, さらには肺血栓塞栓症の合併まで幅広い病態を呈する疾患である. 慢性期には静脈血栓後症候群(post-thrombotic syndrome:PTS)として, 疼痛, 浮腫, うっ滞性皮膚炎, 静脈性潰瘍を生じうる. 診断では, 検査前臨床的確率とDダイマーを組み合わせて評価し, 必要に応じて下肢静脈超音波検査などの画像検査で確定する. 治療の基本は抗凝固療法であり, 中枢型DVTでは禁忌がなければ3ヵ月以上行い, 末梢型DVTではリスクに応じて抗凝固療法または超音波検査による経過観察を選択する. 適切な抗凝固療法下では早期歩行と圧迫療法を行う. 重症の腸骨静脈を含むDVTでは, 血栓除去デバイスを用いた治療が選択肢となった. PTSの基本治療は圧迫療法, 生活指導, 皮膚・創傷管理であるが, 重症の腸骨静脈閉塞を伴う場合には静脈ステントを検討する. 本稿では, フットケアの医療従事者がDVTを見逃さず, 急性期から慢性期まで継続して診療するための要点を解説する.

  • ―そして継続するには―
    平林 葉子
    2026 年7 巻3 号 p. 220-226
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     下肢静脈瘤, 深部静脈血栓症など静脈還流障害をきたす下肢静脈疾患に対する治療として圧迫療法は極めて重要な治療法である. 日本静脈学会は2002年に弾性ストッキング・コンダクター制度を創設し, 継続して圧迫療法の専門知識・技術を持った医療従事者を養成している. 2020年に慢性静脈不全による難治性潰瘍に対する静脈圧迫処置が保険収載となり, 臨床現場での圧迫療法の重要性は増している. しかし, 圧迫療法はその重要性にもかかわらず, 装着の煩雑さ, 不快感, 経済的問題などから患者への指導, 圧迫療法の受け入れ・継続(アドヒアランス)に難渋することが多い. 圧迫療法を行っている医療従事者にとって患者に圧迫療法をいかに「継続」してもらえるかは永遠のテーマである. 医療従事者が「なぜ継続が難しいのか」, 「どうすれば継続できるのか」を考え, あきらめず治療・指導していくことが肝要である.

  • -ARCSモデルを用いて患者支援を再考した静脈性下腿潰瘍の1例 -
    内藤 亜由美
    2026 年7 巻3 号 p. 227-233
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     静脈性下腿潰瘍 (venous leg ulcer : VLU) の圧迫療法継続には, 患者の生活や価値観を踏まえた支援が求められる. 今回, 約10年間VLUが治癒せず, 圧迫療法を拒否していた80歳台女性に対し, 価値観と自己決定を尊重した支援を行った. 「入院を回避し, 最期まで自宅で過ごすこと」を長期目標として共有し, 苦痛時には自ら外すことのできる弾性包帯から圧迫療法を開始した. 弾性包帯を緩めても否定せず, 継続できていることを評価した. 創の縮小を実感した患者は「創を治したい」と希望し, 治療方法を自ら尋ねるようになり, 適切な巻き方の指導後は弾性包帯を緩めず自ら実施できるようになった. 介入4ヵ月後には右下腿後面6ヵ所の潰瘍が閉鎖し, 1年後には全潰瘍が閉鎖した. 本症例への介入はARCSモデルに基づいて計画したものではないが, 患者支援過程を後方視的に再考すると, 患者が生活目標と治療との関連から必要性を見いだし, 自己決定し, 成果を実感しながら治療に主体的に参画していく過程として整理できた.

原著
  • 宮原 香里, 細谷 たき子, 坂江 千寿子, ベーレ ルッツ, ベーレ 操, 二神 真理子, 小林 睦, 柿澤 美奈子
    2026 年7 巻3 号 p. 234-241
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     研究目的は小児期扁平足を有する児童への多職種介入による足部アーチの変化および保護者の認識を明らかにすることである. 研究対象はA小学校に在籍の1-5年生の小児期扁平足の児童9名 (18足) とその保護者とし, 介入期間は2021年3月-2022年12月の22ヵ月間で, 3-4ヵ月ごとに計8回の保護者同伴の足の健診を実施した. 介入内容は, 看護師は上履きの履き方指導, 踵上げ運動と押し合いの足部トレーニングのセルフケア確認等, ドイツ整形外科靴マイスターはフットプリント採取, インソールの製作等, 養護教諭は児童からの相談対応等であった. 児童は学校内でインソール入りのリング付き折り返しベルトのある上履きを着用した. 足部アーチの判定はYラインを用い, 看護師2名がフットプリントより計測した. 結果, 両足縦アーチの形成を認めた児童は6名 (12足), 両足のアーチが低下した児童は0名であった. 介入前後の差の中央値は介入前-4.25mm, 介入後0.25mmであり, 介入後の改善が認められた (p=0.015). また, 介入後の保護者の認識は, 子どもの足のアーチ改善と正しい靴の履き方が習慣化できたと実感する一方, 子ども靴を購入する際, 店頭では良い靴に出合えないという困難も抱いていた.

  • 吉村 有示, 植木 綾香, 田代 幸恵, 野北 京佑, 艫居 祐輔
    2026 年7 巻3 号 p. 242-248
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

    【目的】
     包括的高度慢性下肢虚血 (chronic limb-threatening ischemia : 以下, CLTI) 患者における小切断後に日常生活動作能力 (activities of daily living : 以下, ADL) を維持する離床開始期間と遅延要因を検討する.
    【方法】
     2024年1月-2024年12月の期間でCLTIにより小切断術を施行された25名が解析対象. ADLの低下はBarthel Indexが入院前より退院時に低下した者とした. ロジスティック回帰分析にて, ADL低下と離床開始までの日数の関連を検討し, cut off値の算出とその遅延理由を調査した.
    【結果】
     低下と離床開始までの日数は有意な関連を認め (OR: 1.610, 95%CI: 1.070-2.440, p=0.023) , cut off値は5日であった (AUC : 0.826). 遅延理由は下肢の感染によるものが最多となり, 半数以上は透析患者であった.
    【結語】
     CLTI患者の小切断術後5日以内の離床はADL維持に寄与する可能性があり, 離床が遅延した患者の特徴は, 術後も下肢の感染徴候が残存していること, 透析患者であることが明らかとなった.

  • -補装具委員会調査・第1報-
    菊池 恭太, 泉 有紀, 門野 邦彦, 上口 茂徳, 久保 和也, 木下 幹雄, 榊 聡子, 柿花 隆昭, 坂井 一浩, 砂田 和幸, 田村 ...
    2026 年7 巻3 号 p. 249-263
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     本研究は, 日本フットケア・足病医学会 (JFCPM) 会員を対象とした横断的調査データを用い, 下肢創傷処置管理料算定施設の実態を明らかにすることを目的とした. 2023年に実施された会員調査データを用い, 146施設を対象に記述統計解析を行い, チーム構成および業務実施状況については, 施設規模別に探索的な比較を行った. 対象施設は診療所から大規模病院まで多様であり, チーム構成としては医師では形成外科医 (61.0%), 医師以外では看護師 (86.3%), 理学療法士 (49.3%), 義肢装具士 (41.8%) の在籍率が高かった. 基礎的業務は施設規模に関わらず広く実施されていた一方, 血行再建や外科的治療などの専門的業務は施設機能に応じて集約されていた. 免荷療法は施設規模に関わらず, 広く実施されていたが, その内容は装具から簡便な方法まで多様であり, 義肢装具士の関与の有無により実施状況に差が認められた. 本研究の結果は, 下肢創傷処置管理料算定施設の現状を施設単位で記述した基礎的データとして位置づけられ, 今後の詳細な解析や介入研究のための基盤情報となることが期待される.

  • -補装具委員会調査・第2報-
    久保 和也, 泉 有紀, 上口 茂徳, 菊池 恭太, 門野 邦彦, 木下 幹雄, 榊 聡子, 柿花 隆昭, 坂井 一浩, 砂田 和幸, 田村 ...
    2026 年7 巻3 号 p. 264-273
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     本研究は, 日本フットケア・足病医学会 (JFCPM) 会員を対象とした横断的調査データを用い, 下肢創傷処置・管理業務に関わる医療専門職の意識と実態を明らかにすることを目的とした. 医師会員224名およびその他の医療専門職会員393名を対象として, 記述的横断研究を実施した.
     下肢創傷に関わる医師会員は, 形成外科・皮膚科・血管外科・循環器内科の順に多く, 医師以外では看護職を中心に, リハビリテーション職や義肢装具士, 臨床工学技士など多様な職種が関与していた. 創傷管理や予防的フットケアは過半数が関与していた一方, 免荷およびリハビリテーションの関与割合は半数に満たず, これらの業務は「患者ニーズに十分対応できていない業務」として認識されていた. また, その他の医療専門職の65.6%は, JFCPM医師会員が不在の環境下で業務に従事していた.
     これらの結果は, limb salvage (四肢温存) に加え, 多職種連携の強化を通じて免荷やリハビリテーションを含めたgait salvage (歩行機能温存) の視点を診療体制に組み込む必要性を示唆している. また, 足病に精通した医師の支援が得られにくい環境下で下肢創傷処置・管理業務に従事している会員に配慮した支援の必要性も示された.

  • -補装具委員会調査・第3報-
    上口 茂徳, 泉 有紀, 久保 和也, 門野 邦彦, 菊池 恭太, 木下 幹雄, 榊 聡子, 柿花 隆昭, 坂井 一浩, 砂田 和幸, 田村 ...
    2026 年7 巻3 号 p. 274-282
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     本研究は, 日本フットケア・足病医学会 (JFCPM) 会員を対象とした横断的調査データを用い, 免荷療法の実践に関する意識と課題を明らかにすることを目的とした. 医師会員およびその他の医療専門職会員を対象に, 免荷療法に対する積極度, 実践上の障壁, 教育ニーズ, ならびに円滑な活用に必要とされる要素について記述的に分析した. その結果, 多くの会員が免荷療法の重要性を認識している一方で, 免荷に関する保険制度や免荷装具や資材の価格といった制度的・経済的制約に加え, 施設内における認識の乖離が実践上の主要な障壁として挙げられた.また, 教育ニーズについては, 医師会員とその他の医療専門職会員で選択された項目に異なる傾向が示されたものの, 免荷療法の要否判断や患者・家族への説明の重要性は両群に共通して必要とされていた. これらの結果から, 免荷療法の普及と実践促進には, 制度的対応に加え, 臨床現場に即した教育機会の整備や多職種による認識共有を含む, 多面的かつ段階的な取り組みが必要であることが示唆された.

  • -補装具委員会調査・第4報-
    泉 有紀, 門野 邦彦, 菊池 恭太, 久保 和也, 上口 茂徳, 木下 幹雄, 榊 聡子, 柿花 隆昭, 坂井 一浩, 砂田 和幸, 田村 ...
    2026 年7 巻3 号 p. 283-292
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     本研究は, 義肢装具製作事業所を対象として, 足部創傷治療用免荷装具の提供実態と, その活用に関わる障壁, 教育ニーズおよび円滑活用に必要な要素を明らかにした. 免荷装具の提供は全国の多様な義肢装具製作事業所によって担われ, 形成外科や循環器内科など多様な診療科からの処方を受ける体制のもとで実践されていた. 一方, 提供内容は足底装具や靴型装具などのオーダーメイド装具が中心であり, フェルトフォームやトータル・コンタクト・キャストといった装具以外の免荷療法への関与は限定的であった. 障壁としては, 日本の生活様式, 患者の認識・受容, 装具・資材の価格が挙げられ, 義肢装具製作事業所が患者の日常生活や装具受容を重視した実務的視点から免荷療法を捉えている実態が示された. また, 教育ニーズとして処方に沿った装具選択および設計が強く求められており, 国際的ガイドラインと日本の実践との乖離が課題として示唆された. これらの知見は, 我が国における免荷療法の実装を推進するうえで, 義肢装具製作事業所を含む実践の現場に即した教育・連携の在り方を再検討するための基礎的知見を提供するものである.

症例報告
  • 毛山 剛
    2026 年7 巻3 号 p. 293-297
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     巻き爪に対して, 2021年8月から2025年8月までの間に, ジグザグ爪床皮弁法を施行した治療成績を報告する. 術後6ヵ月以上経過観察できた29例34趾 (男性4例, 女性25例) を対象として, 術前・術後の弯曲の程度を爪幅指数・爪高指数を用いて評価した. 1趾を除いて他のすべての症例で弯曲が改善した. 改善が得られなかった1例はステイプル型で, 弯曲が強くない症例であった. 本手術はC型やトランペット型のような弯曲が強い症例に適応があると考えられる. また, 爪白癬を合併した場合, その治療を並行して行うことも重要である.

  • 立石 綾, 渡邊 至, 松木 佑介, 輕部 義久, 根本 寛子, 阿賀 健一郎, 原田 裕輔, 股部 紘也, 齋藤 綾, 孟 真, 橋山 直 ...
    2026 年7 巻3 号 p. 298-302
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     100歳女性. 右下肢虚血による安静時痛を認め, 薬物治療を施行されていたが, 右第1・2趾の壊死を合併し増悪傾向であった. 在宅診療で内科的治療を行っていたが, 虚血肢の疼痛管理が困難となったため, 精査加療目的に当院を紹介受診. 足趾の疼痛が著明で, WIfIスコアW2I3fI0, ABIは測定不能, 血管超音波検査所見は総大腿動脈, 大腿深動脈は開存しているが, 浅大腿動脈から膝窩動脈までは完全閉塞し, 腓骨動脈のみ末梢まで開存, 前脛骨動脈と後脛骨動脈は中枢のみ開存していた. 年齢, 全身状態, 認知機能等を考慮し, 血行再建, 肢切断のいずれも困難と判断され, 疼痛緩和を治療の主目的とした. 局所麻酔剤による坐骨神経ブロック術で疼痛が改善したため, Smithwick末梢神経挫滅術に準じた, 経皮的超音波ガイド下末梢神経遮断術を行うことで, 退院後も長期間の疼痛緩和効果が得られると考えた. 直視下での神経挫滅術は切開創の創傷治癒が得られない可能性が高いため, 経皮的に超音波ガイド下神経挫滅術を施行した. 浅腓骨・深腓骨・伏在・後脛骨神経を同定し6%フェノール溶液を注入した. 術翌々日に鎮痛効果が良好であることを確認した. しかし神経挫滅術後2ヵ月後に疼痛が再発, 増悪したため, 再入院し神経挫滅術を施行. 2回目の術後経過も良好で, 退院後半年間の疼痛管理は良好であった. 緩和的治療を選択した包括的高度慢性下肢虚血症例において難治性疼痛に対する経皮的超音波ガイド下神経挫滅術は有効な方法であった.

実践報告
  • 髙田 結以, 後藤 智子, 平井 美智恵, 及川 功, 及川 健一, 橋詰 壽律, 藤本 博行
    2026 年7 巻3 号 p. 303-305
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     当院は通院透析施設で, 透析中にフットケアを行っている.しかし, フットケアの検査体制が年1回のみであったこと, スタッフの知識や技術も不十分であったことから, 毎月患者にフットトラブルが発生していた. 高齢や透析患者の特性から足のセルフケアも困難であった.
     そこで体制を見直し, 足の状態と足のセルフケアを把握・情報共有するためにフット評価表を作成した.6ヵ月ごとにABI・SPPによる定期血流検査の実施と評価を行った.また毎月フットケアが必要な患者にはフットケアを提供した. パンフレットを使用してフットセルフケア指導を行った.
     透析患者132名を対象に2022年5月と2024年5月のフット評価表のデータを比較したところ, 足状態の項目のうち胼胝, 乾燥の保有率が減少した. また, 保湿ケアの実施率が上昇した. 患者からは肯定的な声も多く, スタッフの対応力も向上し, QOL改善につながったと考えられる.
     今回のフットケアの取り組みを通して, フットケアに積極的にかかわることで患者のフットトラブルを予防できるということを改めて実感した.

資料
  • 畑中 あかね, 池田 清子, 永瀬 紗奈衣, 桑原 京子, 野澤 裕子, 久保 美佐
    2026 年7 巻3 号 p. 306-315
    発行日: 2026/09/30
    公開日: 2026/09/30
    ジャーナル フリー

     健康な地域高齢者の足とセルフフットケアの実態, 地域でセルフフットケアを普及する看護師の課題を明らかにする目的で文献レビューを行った.
     医学中央雑誌Web, PubMedを用いて, 「フットケア」「健康教育」「看護師教育」などのキーワードを用いて検索し, 過去10年間の原著論文15件を分析対象とした.
     地域高齢者の足のトラブルは多く, 高齢者だけでは認識できず, 自分ごととして捉えにくいことが示された.すでに転倒経験のある人が存在し, 転倒は喫緊の問題であった. また, 多くの地域高齢者がセルフフットケアを行っているが, 自覚症状がありながらも放置していたり, 面倒で習慣化できないケアがあることが示された.
     一方, 地域の健康教育において看護師はやりがいを感じている反面, 多くの困難を感じていることが示された. しかし, 看護師が地域高齢者の生活と足の関連に着眼して働きかけることによって, 高齢者が自身の足を意識し始めるなどの変化が報告されている.
     地域でフットヘルスの普及活動を行うためには学びの場や継続した活動支援が必要であると考えられ, 結果に基づき看護師育成プログラムを検討した.

日本フットケア・足病医学会 役員・評議員名簿
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