100歳女性. 右下肢虚血による安静時痛を認め, 薬物治療を施行されていたが, 右第1・2趾の壊死を合併し増悪傾向であった. 在宅診療で内科的治療を行っていたが, 虚血肢の疼痛管理が困難となったため, 精査加療目的に当院を紹介受診. 足趾の疼痛が著明で, WIfIスコアW2I3fI0, ABIは測定不能, 血管超音波検査所見は総大腿動脈, 大腿深動脈は開存しているが, 浅大腿動脈から膝窩動脈までは完全閉塞し, 腓骨動脈のみ末梢まで開存, 前脛骨動脈と後脛骨動脈は中枢のみ開存していた. 年齢, 全身状態, 認知機能等を考慮し, 血行再建, 肢切断のいずれも困難と判断され, 疼痛緩和を治療の主目的とした. 局所麻酔剤による坐骨神経ブロック術で疼痛が改善したため, Smithwick末梢神経挫滅術に準じた, 経皮的超音波ガイド下末梢神経遮断術を行うことで, 退院後も長期間の疼痛緩和効果が得られると考えた. 直視下での神経挫滅術は切開創の創傷治癒が得られない可能性が高いため, 経皮的に超音波ガイド下神経挫滅術を施行した. 浅腓骨・深腓骨・伏在・後脛骨神経を同定し6%フェノール溶液を注入した. 術翌々日に鎮痛効果が良好であることを確認した. しかし神経挫滅術後2ヵ月後に疼痛が再発, 増悪したため, 再入院し神経挫滅術を施行. 2回目の術後経過も良好で, 退院後半年間の疼痛管理は良好であった. 緩和的治療を選択した包括的高度慢性下肢虚血症例において難治性疼痛に対する経皮的超音波ガイド下神経挫滅術は有効な方法であった.
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