日本遺伝看護学会誌
Online ISSN : 2436-9098
Print ISSN : 1881-3267
ISSN-L : 1881-3267
研究報告
胎児染色体数的異常に対する無侵襲的遺伝学的検査(NIPT)のカウンセリングを受ける男女(夫婦)の意思決定に関わる意識の相違について
石松 あき中村 絵里香富永 るみ子牛島 輝美田浦 裕三子佐々木 瑠美大場 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 17 巻 2 号 p. 32-39

詳細
抄録

 今回われわれは、胎児の染色体数的異常に対する無侵襲的遺伝学的検査(noninvasive prenatal testing, NIPT)を受けようとする夫婦の意思決定における意識の相違に注目して検討したので報告する。2015年12月から2016年6月の間にNIPTを希望してA施設を受診した夫婦のうち書面で同意が得られた者を対象として、カウンセリング前の問診票から背景、年齢、検査への準備状況、および決定された意思について検討した。対象は142名(妻79名、夫63名)で、分娩予定日における平均年齢は妻39.1歳、夫40.9歳であった。不妊治療により妊娠した者は34名(43.0%)であった。NIPT受検の動機は「高齢妊娠」が最も多く92.4%を占めた。

 79名の妻のうちNIPTを受検した者(受検群)は62名、受検しなかった者(非受検群)は17名で、NIPTの受検率は78.5%だった。有効回答した63名の夫のうちNIPTを受検した者(受検群)は55名、受検しなかった者(非受検群)は8名で、NIPTの受検率は87.3%だった。

 夫婦共に雑誌やインターネットはNIPTの主な情報源であったが、女性に比べて男性はパートナーから情報を得る割合が高かった。受検の意向は女性の方が強く、またNIPTを選択した女性は妊娠前から強い受検の意向を持っていた。

 NIPT受検の有無と女性または男性で年齢との関係性はなかったが、夫婦間の年齢差を検討すると、有意差があり非受検群で女性より男性の方が高齢であった。

 NIPTを受けようとする意思決定は主として妻により妊娠成立前から準備・主導されており、また夫がより高齢であることは、NIPT受検の選択において抑制的に作用する因子であることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 日本遺伝看護学会
feedback
Top