抄録
頸部動静脈奇形の3症例を報告する。症例1は動脈塞栓術後に摘出術を行い,術後2年3か月間再増大を認めていない。症例2は動脈塞栓術後に摘出術を施行したが,6年後に再増大のため当科を再診,現在治療法を検討中である。症例3は16年前に当科で動脈塞栓後に摘出術を行ったが,再増大が生じ当科を再診した。再度の塞栓術は困難と考えられたため,サイバーナイフにより加療し,3年6か月間再増大を認めていない。
動静脈奇形の治療においては,塞栓術後に摘出することが重要であるが,良性疾患であるものの再増大をきたしやすいため,治療後長期間の慎重な経過観察と再増大に対する治療の工夫も考慮すべきと思われた。