抄録
頭頸部がん患者に対する緩和ケアは,在宅医療を含め現状ではまだ十分に行われていない。
その理由は,痛みだけでなく,心理的な要因も含めた全人的な苦痛緩和を必要とするからである。また,がんに伴う痛みだけでなく,がんの治療に伴う苦痛の緩和も重要である。これに対しては,担当医を中心とした緩和ケア医,精神腫瘍医,看護師などチーム医療が入院,外来,在宅どの分野においても必要である。また,担当医としては,基本的な痛みの治療を習得し,痛みの専門家が必要な難治性疼痛に対しては,適宜コンサルトできるような連携体制を作ることも重要である。