頭頸部外科
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頭頸部外傷への対応
眼窩吹き抜け骨折
小林 泰輔
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2010 年 20 巻 2 号 p. 87-93

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抄録
眼窩吹き抜け骨折は遭遇することの多い疾患であるが,治療方針には議論が多い。通常,受傷後2週間程度経過観察されるが,外眼筋が絞扼している場合や画像上多量の眼窩内組織の逸脱があり受傷直後から眼球陥凹をきたしている場合は,早期に手術に踏み切るべきである。整復術は鼻腔や副鼻腔から内視鏡を用いることにより,多くの例で良好な結果をあげることができる。しかし中には眼球陥凹が残る場合もあり,眼窩底の再建を要する場合もある。眼科や形成外科とも連携して,受傷後適切な時期に手術適応を決め,画像所見と眼科的検査から病態を十分把握して手術に臨み,病態に応じたアプローチ法を選択することが必要である。
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© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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