頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
頸部郭清術中における副神経の胸鎖乳突筋背側穿通部位に関する検討
岩江 信法平山 裕次四宮 弘隆手島 直則古川 竜也
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 22 巻 1 号 p. 99-102

詳細
抄録

近年の頸部郭清術においては,胸鎖乳突筋や副神経を温存する保存的で機能的な郭清が普及してきている。今回われわれは胸鎖乳突筋背側面の副神経穿通部位を,レベルII,III,IVを含む郭清を施行した症例46例65側を対象として頸部郭清術中に観察した。穿通部位は胸鎖乳突筋の胸骨部背側0側(0%),胸骨部鎖骨部境界域4側(6.2%),鎖骨部筋体49側(75.3%),鎖骨部後縁付近12側(18.5%)であった。胸骨部の背側から副神経が穿通している症例はなく,鎖骨部前縁までの胸骨部背側面については頸部郭清時に副神経に特に留意する必要なく剥離操作が可能であると考えられた。

著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top