頭頸部外科
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原著
鼻出血を契機に発見された鼻腔原発のglomangiopericytomaの1例
大道 亮太郎假谷 伸岡野 光博牧原 靖一郎小野田 友男江口 元治西﨑 和則
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2013 年 23 巻 2 号 p. 141-144

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抄録

glomangiopericytomaは鼻副鼻腔原発の血管周囲筋様細胞の表現型を伴う境界から低悪性度の新生物である。その発生頻度は全鼻副鼻腔腫瘍のうち1%以下とされており,非常にまれな腫瘍である。この腫瘍は従来hemangiopericytomaの一亜型とされてきたが,一般的な軟部組織に発生するhemangiopericytomaとは発生部位,生物学的挙動,組織学的特徴の観点から区別され,2005年のWHO基準にて正式に疾患分類として登録された。比較的新しい疾患概念であることなどから,hemangiopericytomaとの鑑別が十分なされていないことがあり,注意を要する疾患とされている。われわれは今回鼻出血を主訴に来院した右鼻腔原発のglomangiopericytomaに対し,内視鏡下に切除手術を施行し,良好な経過を得た1例を経験したので報告する。

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© 2013 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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