頭頸部外科
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ランチョンセミナーI
頭頸部がんに対する化学放射線療法の新展開
藤井 正人
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2013 年 23 巻 3 号 p. 301-305

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抄録
頭頸部がんの集学的治療において,化学放射線療法は,メタ解析が行われて進行癌に対する標準治療の一つとして高いエビデンスが証明されている。放射線治療と併用する薬剤に関してはシスプラチンを単独で投与する方法が標準とされている。JCOG頭頸部がんグループでは,JCOG0706として根治切除不能例に対するS-1とCDDPを放射線療法と同時併用する第II相試験を行って良好な成績を報告した。欧米では導入化学療法によって奏効した症例には化学放射線療法で臓器機能温存を目指す臨床試験が行われている。導入化学療法を効果的に施行するために奏効率の高い多剤併用療法の開発が求められており,TPF療法が標準的レジメンとされている。われわれは,切除不能例に対してS-1とCDDP併用の第II相試験を行い, 田原らはS-1,CDDP,ドセタキセル併用の第I相試験を行うなどわが国ではS-1を含んだ化学療法の治療開発が行われている。今後はわが国からエビデンスを発信して頭頸部がんの標準治療確立を目指すことが期待される。
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© 2013 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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