頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
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原著
Stage I・II舌扁平上皮癌症例の臨床的検討
―予防的頸部郭清術の適応を中心に―
中野 宏辻川 敬裕新井 啓仁島田 剛敏久 育男
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2014 年 24 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

舌癌治療においては頸部転移巣の制御が重要である。当科におけるstage I・II舌癌に対する予防的頸部郭清術の有用性について検討した。疾患特異的5年生存率,無再発5年生存率はstage Iではそれぞれ87.1%,74.3%であり,stage IIではそれぞれ83.4%,72.3%であった。全体の約1/3が再発し,再発例の半数が救済可能であった。予防的頸部郭清術非施行例では再発例が多くみられたが生存率には影響しなかったことから予防的頸部郭清術は必須ではないと考えられた。T1症例における原発巣再発が比較的多く見られ,安全域について再考の余地があると考えられた。分化度が低いほど再発率は高く,術後の追加治療も検討すべきであると考えられる。

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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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