抄録
プランマー病は本邦では比較的珍しく,なかでも小児例はまれである。今回早期に完治させるため手術治療を選択し,良好な結果を得た小児プランマー病例を経験した。
症例は14歳女児,頻脈精査のため小児科を受診し,血液検査で甲状腺機能亢進が認められた。触診で甲状腺左葉の腫大を認め,シンチグラムで同部に集積があり,プランマー病と診断された。手術目的に当科へ紹介され,抗甲状腺薬で甲状腺機能が正常化した後,甲状腺左葉切除術を施行した。術後経過は良好で甲状腺機能は正常化し,頻脈も消失し再発なく経過している。
プランマー病治療は手術治療の他に131ヨード内用療法や経皮的エタノール注入療法があるが,本症例のように早期に確実な治療効果を望む症例では外科手術が有効であると考えられた。