2015 年 25 巻 2 号 p. 215-221
頭頸部癌にcetuximabの適応が追加承認され,分子標的薬として新たな治療の選択肢になった。われわれは頭頸部癌に対してcetuximabを使用し,比較的良好な結果が得られた2症例を報告する。症例1は47歳男性。多発肺転移に対してcetuximab併用化学療法を行い,cetuximab単独維持投与を行った。症例2は71歳男性。多発肺転移に対してcetuximab併用化学療法を行い,腫瘍の縮小を認め,現在も維持投与を行っている。Cetuximabによる治療は,確立されつつある治療ではあるが,再発・転移頭頸部癌に対するcetuximabの使用の意義はまだまだ議論の余地が多く,慎重に検討すべき治療であると考えられる。