抄録
90歳以上の超高齢喉頭扁平上皮癌患者に対し喉頭全摘術を施行した2例を報告する。症例1は91歳女性。施設入所中で車椅子移動ながら,ECOG-PS 1であった。初診時に喘鳴を認め,緊急気管切開術後,cT2N0M0の診断で入院34日後に喉頭全摘術を施行し,術後経過良好にて入院57日後に施設退院となった。症例2は91歳男性。独居でADL自立していたが,慢性心不全・心房細動の合併症があり,前医入院中にECOG-PS 2に悪化していた。転院時に緊急気管切開術を施行し,cT3N0M0の診断で入院15日後に喉頭全摘術を施行した。一時的な心不全の増悪を認めたが,経過良好にて入院45日後に家族宅へ退院となった。