2020 年 62 巻 12 号 p. 3041-3048
【目的】ピコプレップⓇ配合内用剤(P/MC)はポリエチレングリコール製剤と比べ,高い患者受容性と腸管洗浄効果の非劣性が報告されたが腸管洗浄効果に乏しい印象がある.前処置の強化で,患者受容性を保ったまま腸管洗浄効果が向上するかを明らかとすることを目的とした.
【方法】P/MC通常投与群(P/MC群)と,ピコスルファートNa内用液0.75%5mlを追加する前処置強化群(P/MC強化群)の2群を最小化法を用いて無作為に割り付けた.主要評価項目は2群間の腸管洗浄度の比較,副次的評価項目は臨床的背景と患者受容性の比較.
【結果】腸管洗浄度スコアは,P/MC強化群(n=49)はP/MC群(n=49)と比較し有意に低く(4.6±0.5 vs 6.6±0.5;P<0.001)洗浄度が高かった.受容性は2群間で有意差はなかった.
【考察】ピコプレップⓇ配合内用剤にピコスルファートNa内容液の追加で患者受容性を保ったまま腸管洗浄効果が向上した.