2016 年 25 巻 3 号 p. 351-356
2009年5月から2013年5月までの4年1か月間に入院加療が行われた急性喉頭蓋炎54例について,特に気道確保を要した症例を中心に検討した。
気道確保を要した症例は54例中5例 (9.3%) で,喉頭所見はKatoriらの分類において III Bが4例, II Bが1例であった。気道確保法は,気管挿管後に気管切開を行ったものが2例で,その他の3例は挿管が困難かつ局麻下の気管切開が困難な状態であり,輪状甲状膜切開の施行後に気管切開を行った。
緊急に気道確保を要する症例で気管挿管が困難な場合,輪状甲状膜切開を先行して行う必要があると再認識された。また初療の時点から救急科や麻酔科医師と連携し,救急部での小手術も施行可能な態勢を整えることが重要である。