頭頸部外科
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症例
妊娠中に甲状腺全摘術を施行したバセドウ病合併妊娠の2症例
伊東 明子中屋 宗雄森 鮎美小村 さやか木田 渉稲吉 康比呂渕上 輝彦
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2016 年 26 巻 1 号 p. 147-151

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抄録
バセドウ病合併妊娠の2例に対し妊娠中に甲状腺全摘術を施行した。症例1は30歳女性。Propylthiouracilで副作用歴あり。妊娠24週で当院紹介,thiamazoleと無機ヨード併用したがコントロール不良で当科紹介。妊娠32週で甲状腺全摘術を施行。術後,正常分娩に至った。症例2は32歳女性。妊娠27週でバセドウ病の診断。Thiamazoleで無顆粒球症を発症し中止。妊娠35週に当科で甲状腺全摘術を施行。術後,誘発分娩となった。バセドウ病合併妊娠では抗甲状腺薬で重篤な副作用がある場合,甲状腺機能亢進症をコントロールできない場合に手術療法の適応となる。その際は,緊急帝王切開の可能性などから,内分泌内科に加えて産婦人科・麻酔科・小児科との密な連携を行い,周術期を無事経過することが重要である。
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