抄録
CRTは進行喉頭癌に対する機能温存治療として,大きな役割を担っているが,一定の割合で再発を生じる。その救済手術は,頭頸部外科医の大きな課題で有り,喉頭癌においては咽頭皮膚瘻の予防が,ポイントとなる。救済手術時の,瘻孔予防策について41施設より聞き取り調査を行った。約半数の施設では,特別な対策を講じていなかった。6施設では,遊離空腸移植や,大胸筋弁による粘膜縫合部の裏打ち,DP皮弁による頸部皮膚張り替えなどの積極的予防策を講じていた。残りの施設はハイリスク症例に対して,様々な対策が講じられている。前向き試験の無い現在,今後は多施設のデータを集積解析し,予防処置の適応と術式の標準化が望まれる。