2017 年 26 巻 3 号 p. 359-362
当科で治療を行った喉頭扁平上皮癌(声門)T3症例17例の臨床的検討を行った。対象の治療方針は化学放射線同時併用療法(以下,CCRT)を30~40Gy施行し,腫瘍消失であればCCRT続行し,残存であれば手術を行っている。また手術拒否症例はCCRT継続としている。この結果,3年5年粗生存率はそれぞれ76%,63%で,死因特異的生存率は3年で87%,5年は78%であった。喉頭温存率は3年5年ともに29%であった。治療前の所見でみると,甲状軟骨内側浸潤のない症例は喉頭温存の可能性があると思われた。