2017 年 27 巻 2 号 p. 231-234
下咽頭梨状陥凹瘻は,先天性瘻管であり左側に多く見られ感染などを契機に診断される。今回われわれは彎曲型喉頭鏡,アトムチューブ®を用い瘻管同定を行い,摘出術を施行した。
症例は27歳女性。幼少期より左側頸部腫脹・切開排膿を繰り返しており,下咽頭食道造影,CTにて,下咽頭梨状陥凹瘻と診断された。全身麻酔下にて瘻管および左側甲状腺部分切除術を施行した。彎曲型喉頭鏡を喉頭蓋舌根面にかけ,瘻孔にアトムチューブ®4Frを挿入しピオクタニン色素を注入した。その後,頸部外切開に移り,甲状腺上極裏面にピオクタニンで染色された瘻管を鮮明に同定でき結紮切断し摘出した。術後半年以上経過しているが,現在再発なく経過している。