頭頸部外科
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手技工夫
Z形成術を用いた外耳道入口部拡大法
南 修司郎山本 修子
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2018 年 27 巻 3 号 p. 395-397

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抄録

真珠腫性中耳炎に対する外耳道後壁削除・乳突非開放型鼓室形成術(軟素材による外耳道再建)時に行っている,Z形成術を用いた外耳道入口部拡大を報告する。手術方法は,外耳道入口部12時の位置より後約半周を利用して,先端角約60度で耳甲介耳輪脚側と外耳道内下壁側を基部とする2つの三角皮弁を作成し,耳甲介腔軟骨と結合組織を十分切除後,三角皮弁を入れ換え,外耳道入口部を拡大する。Z形成術は,延長効果,山を谷とする効果があり,外耳道入口部拡大に適している。本法は,外耳道深部の縫合はあるが,比較的簡便であり,上皮欠損はなく耳内の乾燥は極めて早く,また外耳道後上方への視野も良好である。

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© 2018 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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