頭頸部外科
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症例
第一鰓裂性瘻孔の1例
木下 舞江上 直也安藤 瑞生近藤 健二山岨 達也
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2019 年 29 巻 1 号 p. 93-98

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抄録
今回,われわれは第一鰓裂性瘻孔症例を経験したので報告する。症例は7歳女児で,主訴は右顎下部の発赤・腫脹である。下顎角前上方に発赤を伴う皮膚瘻孔を認め,MRIでは瘻管は外耳道軟骨部から耳下腺内浅葉浅層を下方に進展し,下顎部で皮膚瘻孔に連続していた。耳下腺手術に準じて瘻管摘出術を施行した。瘻管は下顎角部から軟骨部外耳道に存在し,顔面神経外側を走行し,外耳道で盲端となっていた。術後顔面神経麻痺などの合併症は認めなかった。病理組織学的には重層扁平上皮とともに毛髪を含む皮膚付属器を認めた。第一鰓裂性瘻孔の治療では瘻管および瘻孔と顔面神経との位置関係が多岐にわたることを認識しておく必要がある。
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© 2019 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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