頭頸部外科
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原著
当科における過去20年間の下咽頭・食道異物の検討
山口 大夢武田 育子松原 篤
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2020 年 29 巻 3 号 p. 279-283

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抄録
過去20年間に当科で全身麻酔下に摘出した下咽頭・食道異物の100症例を対象として,異物の種類や年齢別ならびに異物の変遷について検討を行った。異物の種類としては,魚骨が66例で最も多く,義歯が9例,PTP (Press through package)が8例,食物塊が7例と続いた。年齢層別の検討では,10歳未満と60歳代で症例数が多く2峰性を示す結果であった。小児ではコインや玩具が多かったのに対して,20歳代以降では魚骨やPTP,義歯異物の割合が高かった。また,10年毎の症例の比較検討では,直近の後半10年間では各年齢層において症例数の増加を認め,なかでも65歳以上の症例が有意に増加しており,高齢化に伴うものと考えられた。PTP異物に関しては,医療関連施設において誤飲した症例もあり今後の検討課題であると考えられた。
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