2020 年 30 巻 2 号 p. 141-146
好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhinosinusitis, ECRS)は,厚生労働省の指定難病の診断基準から診断される。ECRSの治療は,薬物治療と手術(endoscopic sinus surgery, ESS)を組み合わせて行う。薬物治療は副腎皮質ステロイドホルモン薬(以下,ステロイド)が有用で,近年は生物学的製剤の有用性も報告されてきている。ESSは,残存蜂巣がない汎副鼻腔開放,とくに前頭洞排泄路および嗅裂部の開大が必要である。ECRS患者のQOL維持と再発予防のために,術後の治療も非常に重要である。