2021 年 31 巻 2 号 p. 215-222
頭頸部原発の神経内分泌腫瘍は再発・転移を生じやすい。その病理学的分類についても多くの議論がある。当科で経験した喉頭蓋原発神経内分泌腫瘍の2症例について,病理学的分類と文献的考察を含めて報告する。
症例1:67歳男性。喉頭癌(T1N0M0 低分化腺癌)の診断で喉頭水平部分切除術を施行し,術後病理標本は神経内分泌腫瘍Grade 2と診断された。切除断端は陰性であったが後発転移を繰り返し,初回治療後1年6か月で死亡した。
症例2:80歳男性。喉頭癌(T2N0M0 神経内分泌癌)に対して喉頭全摘術を施行した。術後2年4か月で左頸部リンパ節に後発転移を認めたが,高齢のため追加治療は行っていない。