頭頸部外科
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音声・嚥下・気道手術の最適化~客観的指標に基づいて~
片側声帯麻痺に対する手術治療の最適化
細川 清人北山 一樹猪原 秀典
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2023 年 32 巻 3 号 p. 207-216

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抄録

片側声帯麻痺を呈する症例では,嗄声による会話・歌唱の困難により生活の質が低下する。声帯麻痺は,発症後半年を経過しても回復が得られない場合は治癒する可能性は低く,何らかの手術治療が必要となることがある。現在の医療では声帯可動性を回復させる治療は未だ実用化されていないため,嗄声の改善を目指すのであれば発声時の声帯位置を正中方向へ移動させる手術を行うことにより音声改善を目指すこととなる。片側声帯麻痺に対する手術治療は大きく分けて,披裂軟骨内転術あるいは声帯内方移動術があげられるが,本稿では治療の最適化に関連して,術後成績の評価方法,手術方法の選択基準,各手術方法の具体的な方法について説明する。

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© 2023 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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