2023 年 33 巻 2 号 p. 111-113
具体的な裁判例と共に,身近に潜む医事問題の対策について述べる。ひとつ目は検診での胸部単純レントゲン所見見落とし事案である。この対策として胸部単純レントゲンのAI読影システムが有用である。二つ目は偶発的に認められた異常所見(incidental findings)を含む放射線画像読影レポート見落とし事案である。東京医科大学では放射線読影レポート未読時は電子カルテにポップアップが上がるなどの対策をしている。三つ目は気管切開術および気管切開チューブ関係の事案である。気管切開術はトラブルがない浅い気管孔を造り,逸脱しない工夫をすることが重要である。システムを含めた方法で医事問題の回避に努めるべきである。