抄録
2021年1月に保険適用となった頭頸部アルミノックス治療は,2023年12月より歯科口腔外科領域においても保険診療が可能となり,現在,世界の中で本邦のみ実臨床で使用できる第5のがん治療のひとつとして着実に定着しつつある。本治療を施行する際に,重要なことは治療対象である切除不能な局所進行または切除不能な局所再発の頭頸部癌から適格症例を選択することと,特有の有害事象への対応である。本治療の現況は,局所CRを目指す治療でもあるが,最大4回施行できる治療を用いて,QOLを保ったOSの延長のための手段のひとつとも考えられる。今後更なる治療成績の向上のためにも効果的な照射法や併用療法の開発が期待される。