頭頸部外科
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蝶形骨洞単独病変125例の検討
加納 直行湊川 徹Chun-Fu DaiZheng-min Wang
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2000 年 10 巻 1 号 p. 89-93

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抄録
 蝶形骨洞単独病変は孤立性の蝶形骨洞の病変で,比較的稀な疾患群の総称である。過去25年間に上海医科大学耳鼻科と兵庫医科大学耳鼻科等で我々が治療した125症例についてその特徴を検討した。 診断はCT/MRI等の画像所見と手術時の病理組織や細菌検査の結果も加味してなされた。疾患別では,蝶形骨洞炎(40),嚢胞(35),真菌症(19),悪1生腫瘍(9)等であった。症状では頭痛が多く,ついで,視力障害,脳神経障害等であった。 近年のCT/MRIの画像診断や内視鏡の導入により,初期の蝶形骨洞単独病変も診断できるようになり,治療も容易になった。蝶形骨洞単独病変におけるCT/MRIの画像診断や内視鏡下鼻内手術の重要性を指摘した。
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© 日本頭頸部外科学会
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