頭頸部外科
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鼻副鼻腔乳頭腫の臨床的検討
西嶋 文美金子 富美恵後藤 さよ子山村 幸江佐藤 美知子篠 昭男吉原 俊雄
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2002 年 12 巻 3 号 p. 113-118

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抄録
 当科における鼻副鼻腔乳頭腫36例について検討した。inverted papillomaが最も多く,22例にみられた。乳頭腫の基部は上顎洞内側壁に多くみられたが,治療にあたっては,基部の範囲が比較的限局している例はCaldwell-Luc法で,広範囲に渡る例はDenker法や1ateral rhinotomyを選択した。篩骨洞に基部が限局している例は内視鏡下鼻内手術を選択した。再発例はsinonasal papillomaを一部認めるsquamous cell papilloma1例とinverted papilloma2例で,Caldwell-Luc法,Denker法,内視鏡下鼻内手術をそれぞれ施行しており,術式による差はみられなかった。よって,術前にCT,MRI,内視鏡で基部及び占拠部位を充分に検討し,治療の選択にあたることが重要と考えられた。
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© 日本頭頸部外科学会
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