抄録
1996年から2000年までの5年間に,当科で手術を施行した上皮小体機能亢進症13例を対象に,頭頸部外科医としての今後の具体的な対応を検討した。内科から手術を目的として紹介された症例が9例,精神科からの紹介が2例,腎臓内科からの続発性亢進症が1例,当科で発見した症例が1例であった。術前診断に各種検査を施行したが,局在診断率は不良であった。腺腫のみ摘出が5例あったが,他8例は2腺以上の摘出を行った。術後血清カルシウム値とint-PTH値は全例において正常化した。他科からの紹介を増やすために,頭頸部外科受診患者から本疾患を見逃さないこと,安全確実な手術を行うことでアピールするべきかと考えた。