2004 年 14 巻 1 号 p. 33-37
再形成真珠腫は術式選択上考慮すべき重要な要素である。我々は,耳管機能障害の根本的治療が困難な現状において,上皮が再陥凹するスペースが縮小して真珠腫再形成が起こり難いOpen法を基本術式として積極的に適用している。手術のポイントは術後にトラブルを起こさないcavityの作製であり,そのために1)創腔辺縁を落とした広い削開,2)sinodural angleや迷路周囲等の蜂巣の十分な削除,3)facial ridge,耳管上陥凹,外耳道前壁などの処置による丸いcavityの作製,4)有茎筋膜弁・有茎筋骨膜弁・軟骨を用いた部分的充填による再陥凹防止と上皮化促進,5)入口形成が重要である。