抄録
2003年7月から2006年12月までの期間に,鼻涙管狭窄に対して内視鏡下涙嚢鼻腔吻合術(EDCR)を施行した初回手術例32例36側(男4例,女28例,平均年齢69.8歳)について検討した。術後6ヶ月以上経過観察できた症例は27例31側で,手術成功率は80.5%であった。平均手術時間は64分で,2002年に行った鼻外法での118分に比べて短かった。不成功例は6例6側で,骨削開の不足による涙嚢の露出が不十分であったことが主な原因であった。今回の検討では,E-DCRは,低侵襲で効果的な方法であり,眼科医と耳鼻咽喉科医とで役割分担することで手術を効率的に行うことが可能であるものと考えられた。