頭頸部外科
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喉頭全摘出後咽頭皮膚瘻についての検討
篠崎 剛西野 宏金沢 英哲池田 佐恵子阿部 弘一田中 秀隆石川 和宏中村 謙一市村 恵一
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キーワード: 咽頭皮膚瘻, 早期処置
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2007 年 17 巻 3 号 p. 249-254

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抄録
 目的:喉頭全摘出術の術後合併症について検討する。 対象:1998年1月から2006年6月までの間に喉頭全摘出術を施行した45例。 結果:咽頭瘻は9例,うち咽頭皮膚瘻は8例に認められた。そのうち2例で総頸動脈からの出血を来たした。年齢,原疾患,喫煙歴,糖尿病の有無,気管切開や喉頭部分切除術の既往,同時に施行した頸部郭清および甲状腺合併切除の範囲,術前後のアルブミン値,術後ヘモグロビン値については,瘻孔発生率に関連していなかった。 放射線療法単独では瘻孔発生率は上昇しなかったが,化学放射線治療を行った群で有意に瘻孔形成が多かった。 経腸栄養開始日と瘻孔発生率には関連を認めなかったが,瘻孔形成例では在院日数が長くなっていた。 結論:喉頭全摘出術後の咽頭皮膚瘻の予防には局所を観察・評価し,術中・術後管理を行うとともに瘻孔発生時には適切な対応が必要である。
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© 日本頭頸部外科学会
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