1993 年 3 巻 1 号 p. 3-9
最近の2年間に当科外来を133人のスクーバによる気圧外傷が訪れた。内訳は,男82名,女51名,で聴覚障害が64例48%で,内訳は,伝音難聴36例,56.3%,感音難聴28例,(8例29%の約1/3に内耳窓破裂が疑われ手術施行)である。その他,副鼻腔スクイーズが10例.5%)を認める。他の69例(52%)は,正常聴力を示したが,圧暴露の際に重要な耳管機能検査(我々の考案になる音響耳管検査や音響バルサルバ検査)で,左右どちらかの耳管開閉機能が明らかに低下したり,機能不全を認める者が36例あった。結果は,一般に大気圧環境の生活で聴覚的に不自由がない者でも異常気圧に暴露すると中耳腔換気障害を生じる例があり,これらの原因や診断について論じた。