頭頸部外科
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有茎広背筋皮弁
宮田 守五十嵐 丈人西野 宏森田 守喜多村 健
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1994 年 4 巻 1 号 p. 31-35

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抄録

有茎広背筋皮弁は頭頸部外科医が修得しておかなければならない有用性の高い筋皮弁である。われわれは現在までに10例(男性5例,女性5例)の頭頸部癌に対する再建に広背筋皮弁を用いてきた。使用した部位は,口腔内4例,口腔内と頬部皮膚に対して2つの皮弁を使用したもの1例,中咽頭2例,下咽頭1例,前胸部(縦隔気管孔)2例であった。筋皮弁を失った症例は1例も無かったが,2例において瘻孔形成が認められ,一例は再縫合により閉鎖,他の1例は他の筋皮弁による閉鎖を行った。広背筋皮弁を用いた再建術を行う場合は計2回の体位変換が必要であるという欠点があるが,複数の皮弁が必要な場合,女性の場合,また縦隔気管孔作成時には第一選択として用いるべき再建法と思われた。

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© 日本頭頸部外科学会
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