頭頸部外科
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8年間経過を観察した若年性鼻咽腔血管線維腫
隈上 秀高
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1995 年 5 巻 2 号 p. 127-133

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抄録

 若年性鼻咽腔血管線維腫(JNA)の進展例に対し,完全摘出のため拡大手術が一期的に行われているが,JNAは組織学的に良性腫瘍で自然退縮する例もあり,その殆どが思春期に治療が実施されることや手術の合併症等を考慮すると,進展例に対し,自然退縮を待ち,より縮小された手術が施行できる可能性についての議論も必要かと思われる。その際,長期間経過を観察した例が参考になると思われるが長期間観察例の報告は少ない。今回,初診より8年後に完全摘出したJNAの一例を経験し,性ホルモン,成長因子(FGF)の局在について酵素抗体法を用い治療前後の腫瘍組織像で比較検討し若干の知見を得たので,その経過,治療と合わせ報告する。

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© 日本頭頸部外科学会
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