当科にて1979年から1991年の間に,手術治療を行った大唾液腺上皮性腫瘍196例のうち悪性腫瘍40例(耳下腺19例,顎下腺18例,舌下腺3例)を対象に治療成績について検討した。病理組織型ではadenoid cystic carcinomaが15例と全体の38%を占めていた。N+例は全体の30.5%を占めていた。N+例の5年粗生存率は18%,頸部再発は64%であり有意に予後が悪かった。発生部位別5年粗生存率は,耳下腺は46%,顎下腺は53%であった。一次根治例の頸部再発率は耳下腺で19%,顎下腺で50%であった。頸部制御例の遠隔転移率は30%であった。