頭頸部外科
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喉頭摘出後の音声再建
木西 實天津 睦郎牧野 邦彦毛利 光宏
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1997 年 7 巻 3 号 p. 117-121

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抄録
 過去20年間に行った喉摘後の音声再建術は気管食道瘻形成術が301例,気管空腸瘻形成術が15例,穿刺法が52例で,それぞれ243例(81%),12例(80%),44例(85%)が音声再獲得に成功し,最長発声持続時間はそれぞれ平均17秒,11秒,16秒であった。初発声は一次的音声再建術では術後1ヶ月,二次的音声再建術では術後3日であった。気管食道瘻発声では甲状咽頭筋により生じる下咽頭後壁膨隆部により新声門が形成され,気管空腸瘻発声では空腸蠕動による狭窄部が振動源となっていた。 嚥下機能は,気管食道瘻発声で誤嚥防止術式の併用により88%の症例で,気管空腸瘻発声では全例で誤嚥を認めなかった。
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© 日本頭頸部外科学会
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