2005 年 74 巻 1 号 p. 1-10
南半球のニュージーランドと北半球の日本において, 4タイプのブルーベリー (ハーフハイ, ノーザンハイブッシュ, サザンハイブッシュおよびラビットアイ), 合計15品種を供試し, 花芽分化開始時期とその後の発育ステージを, また4タイプ17品種を供試し, 若齢樹における花芽着生数とわい化性を調査した. その結果, 花芽分化のパターンは次の3つに大別された. すなわち, (1)花芽分化開始時期が収穫時期とほぼ一致するグループ (ハーフハイ品種, ノーザンハイブッシュ品種およびいくらかのサザンハイブッシュ品種); (2)収穫が終了し, 一定期間経過後, 花芽分化を開始するグループ (サザンハイブッシュ品種の一部), 並びに(3)収穫最盛期以降から花芽分化を開始するグループ (ラビットアイ品種) である. 特に, (1)のグループでは花芽分化開始から雌ずい形成期までの期間が早生品種で短く, 晩生品種で長い傾向が認められ, また収穫時期と花芽分化開始時期との関係は南北両半球において同様であった. しかし, ニュージーランドでは, ‘オニール’と‘レカ’は雌ずい形成に続いて収穫直後に発らいが見られた. 若齢樹における花芽着生数は, ラビットアイ品種‘ウッダード’, ‘ブルーベル’および‘ブライトブルー’や, サザンハイブッシュ品種‘サンシャインブルー’で多く, ‘サンシャインブルー’とハーフハイ品種‘トップハット’は著しいわい化性を示した.