園芸学会雑誌
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原著論文(英文)
ホウレンソウの高温30℃での種子発芽に及ぼす酸処理および塩水と海水のプライミング処理ならびに種子再乾燥処理の影響
桝田 正治畑 直樹フランシス クウェア オンバワラステファン ガヤ アゴング
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2005 年 74 巻 2 号 p. 134-138

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抄録

ホウレンソウ (Spinacia oleracea L.) は高温で発芽が抑制される. 18 N 硫酸溶液で種子処理すると30℃において発芽率は著しく向上した. 硫酸溶液を4回連続使用しても種子の発芽促進効果は低下しなかった. 硫酸の最適処理時間は, 種子の大小によって異なった. 硫酸処理後, 10℃で1週間PEG-6000, NaClあるいは海水に浸漬すると, 発芽は早まり最終発芽率は硫酸単独処理に比べてさらに向上した. 硫酸処理後, 3% NaCl溶液でプライミング処理を行ったあと10か月乾燥貯蔵しても, 種子は30℃で80%以上発芽し, 貯蔵前に認められた高い発芽力は消失しなかった. 海水も同様に高いプライミング効果を有し, PEG-6000あるいはNaCl溶液に代替させることが可能であり, ホウレンソウ種子へのプライミング法として夏季の高温時において, とくに有効であると考えられた.

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© 2005 園芸学会
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