2006 年 75 巻 5 号 p. 399-402
近年,国内で育成されたイチゴやインゲン等の品種の海外での違法使用,生産物の逆輸入が増加し問題となっている.そこで,そうした違法使用抑制を目的にイチゴの SSR マーカーを開発し,その品種識別における有効性を検討した.開発した 4 つの SSR マーカーのうち 2 つは多型性が特に高く,これらにより供試した主要栽培10品種の識別が可能であった.このことから,SSR は八倍体であるイチゴ栽培品種の識別にも有効と考えられ,今回開発した SSR マーカーは,育成者権益の確保に役立つことが期待できると考えられた.