園芸学会雑誌
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ヒマラヤ地帯と柑橘の発現
田中 長三郎
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1959 年 28 巻 2 号 p. 71-75

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抄録
Citrus ichangensis (成州枳)がAssamに産するというDUTTAの報管によリヒマラヤ地帯は四季橘以外の柑橘属全区の代裏者を網羅することになる。カラタチ(浜州枳)が楊子江岸で完成したのはその原態はともかく東砒マラヤにC. indicaの発環した墳と余り大きい隅りはないであろう。後老がAssa, Nepalの間で小紅*大紅*, Ladu, Klaula, Suntara* (椪柑)に進む期間の方が同じ後生綴橘亜属が場子江地帯で僅かに繍 (chü) から蜜橘(紀州)に進んだ期間より長かつたことは閉らかで,最後に金禰を発課する余裕を与えた。鰻初東ヒマラヤに発現したPAPEDA区はマライに至る熱帯で海洋に出る途中にlimeを発現し,雲南を越えて中国に入る途中でザボン*,代々*・,甘代々*,並びにC. Limonia*を生み,西ヒマラヤに向う途中で小果シトロン (Bajoura), lemon, Galgal, 及びRough lemon (Jambhiri), 甘果ライム (Mita) の両分派を生みながら大果シトロン (Turunj)〓, 無酸大果シトロン (Madhkankur) 〓に発展したことは疑がない。*印は東ヒマタヤより中国に伝わり〓印は最も早く欧遡に入リ10世紀に薬効による選択導入により・印がこれを追い,更に15世紀に食用を目途として甘代々が入域した。以上は1928年以来読拠を集積し来つた思索による結論であつて,1931年に証言した東ヒマラヤ柑橘漂生中枢説の基礎を固めるものである。
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