園芸学会雑誌
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温床床土に関する研究 (第3報)
キュウリ, ナス, トマト育苗用速成床土
高橋 和彦
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1963 年 32 巻 4 号 p. 291-298

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抄録
果菜類の育苗用速成床土についての研究を行ない, キユウリ, ナスについて土壌と有機物の比率をかえた組成試験, ならびに施肥量試験を行なつた。またトマトについて補足的な試験を行なつた。
1. キユウリでは土壌 (火山灰土) : 有機物 (腐葉土)が容積で1:3の時, 苗の生育が最も良かつた。ただし, この床土は有機物が多いため, 乾燥しやすく, そのため発芽不揃いになりやすいので, まず川砂の発芽床には種し, 子葉展開後この床土に移植する方法が均一な苗が得られて好ましい。
施肥量は1:3の床土でN100mg/l, P2O5 1,000mg/l以上, K2Oは400mg/lの場合苗の生育が最も良かつた。Nの過多およびP2O5欠乏区は生育がはなはだ不良であつた。またK2Oは0~800mg/l区で生育に有意差はみられなかつた。
は種後30日ごろの正常な苗では, 地上部の無機成分は大体N 5.3~5.9%, P2O5 0.5~0.6%, K2O 5.7~6.6%位の含量を示した。
2. ナスでは土壌: 有機物が3:1の組成のとき, 最も苗の生育が良かつたが, 2:2, あるいは1:3の組成の土での苗の生育とは有意差はなかつた。
施肥量は3:1の床土で, N 200mg/l, P2O5 2,000mg/l以上, K2O 200mg/lの場合, 苗の生育が良くキユウリ, トマトに比べて最適施肥量は2倍に近かつた。キユウリの場合と同様多N, 少P2O5区の生育ははなはだ不良であつた。またK2Oは0~800mg/l区で生育に有意差はみられなかつた。
は種後30日ごろの正常な苗では, 地上部の無機成分は大体N 6.0~6.9%, P2O5 0.4~0.5%, K2O 6.8~7.3%位の含量を示した。
3. トマトの場合, 施肥量は2:2の床土でN 25~100mg/l, P2O5 1,000mg/l以上, K2O 200mg/lの場合苗の生育が良かつた。しかしK2Oは100~400mg/l区まで生育に有意差は認められなかつた。
正常な苗の地上部の無機成分は, 発芽後2週間たつた苗ではN 6.4~6.5%, P2O5 0.5~0.6%, K2O 5.1~5.9%, 3週間たつた苗ではN 6.0~6.4%, P2O5 0.4~0.5%, K2O 6.2~7.0, 4週間たつた苗ではN 5.2~5.9%, P2O5 0.4~0.5%, K2O 6.2~7.0%位の含量を示した。
4. 施肥量と苗の茎葉中の無機成分間には拮抗作用がみられ, N施肥量が多いとK含量は低く, K2O施肥量が多いとN含量は低かつた。
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