メロン育種にアイソザイムが利用できるか否かを見るため, Cucumis melo L. の3変種にまたがる10栽培品種およびそれらのF1雑種について, 幼苗の葉のアイソザイムをアクリルアミドゲルによる等電点焦点法により調べた.
グルタミン酸•リンゴ酸脱水素酵素およびエステラーゼに関しては変種間および栽培品種間に有意差が見られなかった.
パーオキシダーゼにおいてはウドンコ抵抗性品種がり病性品種より1本多くのバンドを示した.
デンシトメーターを用いて調べた酸性フォスファターゼのバンドパターンを見ると, 変種間のみならず同じ変種の中のアメリカ型とイギリス型の間にも著しい差が見られた.
以上の結果から果肉色, 糖度, 果型, 耐病性等の諸形質の選抜の面での酸性フォスファターゼの有用性が推定された.