園芸学会雑誌
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エリカおよびカルーナの耐凍性
酒井 昭三輪 智
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1979 年 47 巻 4 号 p. 511-516

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抄録
ヨーロッパおよび南アフリカに自生しているエリカ属およびカルーナの耐凍性を調べた. ヨーロッパ産のエリカおよびカルーナは静岡県農業試験場高冷地分場の野外で越冬中のものを, また南アフリカ産のエリカは最低温度が3~5°Cに保たれている同分場の温室内の鉢植のものを使用した. いずれも生長休止中の枝を1月下旬に採集して札幌に送付し, ポリエチレン袋に入れ-1~-3°Cの温度で15日間 hardening して耐凍性を充分に高めたのち, 耐凍性を測定した.
ヨーロッパ産のエリカは-15~-20°Cの凍結に耐えるものが多く, カルーナは-30°Cの凍結にも耐えた. しかし南アフリカ〓の多くのエリカは-5~-8°Cの凍結にしか耐えなかた. 南アフリカ産のエリアのなかではもっとも広い分範囲をもつ E. cerinthoides の耐凍性がもっとも高かた. 広い分布範囲をもつ南アフリカ産のエリカについて産地別試験をすれば, おそらくより高い耐凍性をもつものが見出されるものと思う. 南アフリカおよび南半球の植物の耐凍性をそれらの気候的特徴から考察した.
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