抄録
温度処理がハイドランジアの光周反応の変化に及ぼす影響を明らかにしようとした.
1. 秋冬期の低温遭遇量及びその後の温度と日長が生育に及ぼす影響を調べた.
入室後10°C区ではすべての入室期とも光周反応はみられなかった.
これに対して18°C区では12月15日入室区において短日下のほうが長日下より新しょう長, 葉長及び花房径は長く, 開花期は早かった. しかし, 1月1日入室区においては逆に長日下のほうがおう盛に生育し, 開花も早かった. この他の入室区では日長反応はみられなかった.
一方25°C区では新しょう長, 葉長及び花房径は1月15日以後の入室区において長日効果がみられ, 開花期はほとんどの入室期において長日下のほうがやや早い傾向がみられた.
2. ハイドランジアを2月にさし木した場合, ほとんどの個体が5月に花芽分化し, 8月に開花に至り, 花芽分化と発達に対する日長の影響はみられなかった. 一方3月にさし木した場合日長の影響が顕著であり, 短日下のほうが長日下と比べて, 花芽分化個体数と正常開花個体数が多かった.