砂土に於ける果樹の根系に就て
ジャーナル
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1934 年
5 巻
1 号
p. 69-101
詳細
-
発行日: 1934 年
受付日: -
J-STAGE公開日: 2007/05/31
受理日: -
早期公開日: -
改訂日: -
-
訂正情報
訂正日: 2007/05/31
訂正理由: -
訂正箇所: 論文抄録
訂正内容: 訂正前 : 1. 調査に用ひたる土壤は各層を通じて粗砂55%以上で, 下層土は殊に輕鬆であつた。凋萎係數は表土1.35%, 下層土0.32%, 土壤細菌數は表土349.000,下層土41.000で極めて瘠薄であり, 地下水位は成長期間約1m, 降雨により鋭敏に變動し易く, 夏期乾燥20日を越えたる場合土壤水分は表土約4%, 下層土約3%, 腐植質やゝ深く存在すれば6%であつた。而して表土の深さ及び下層の腐植質層は近距離内に於ても部分的に異つてゐた。
2. 根系の調査は6年又は7年生のビワ•イチヂク•ナシ•カキ, 3年又は4年生のクリ•ブドウ•モモ各々1株宛モモのみは4株に就て區劃法により, 又9年生のモモ•ナシ各々8株の外若干を追跡法によつて行つた。
3. ビワは比較的淺根性で根系の廣さ小なる性質を有し, 他上部に對し地下部は最も小であつた。イチヂクは地表に廣く根を張る性質があり, 地上部に對し地下部は極めて大であつた。ナシは水濕を好み腐植土に影響されること強く,他の果樹が幹に近く最も多くの細根を有するに對し, 幹近くに少く外方に細根が多かつた。カキ及びクリは深根を發達し地上部に對し地下部は最も大であつた。ブドウの根は表土に發達し, 下層に腐植質があれば一部分が深根となる性質を有する。モモは比較的淺根で, ナシよりは腐植質の乏しい土壤に侵入し得るが地下水にはナシより弱い。
4. 根系の大部分は樹冠下にあつたが, 根系の廣さは樹冠幅より常に著しく大であつた。又地上部に對し地下部は從來の報告に比し極めて大であつた。
5. 砂土では果樹の根を表土内に制限する。然し下層に保水力を富ましめる腐植質があれば根は深層に達する。
6. 地下水が夏季4日間以上も上昇した深さにはモモの徑5mm以上の根を認めなかつた。カキ•クリはモモより地下水に對して強く, ナシは長期間水位下に浸漬される深根を有してゐた。
7. 皮層の膨大する異状根をモモ及びナシに認めたが, 下層土及び樹勢の弱きものに多き傾向があつた。
8. 枯死根は徑5mmを超ゆる根にもあつたが, ナシ•モモ•イチヂクの比較では1mm以下の根はナシが最も短命であり, モモこれに次ぎ, イチヂクは適應性を有し枯死したのが少なかつた。ナシ及びモモでは下層ほど, また幹より遠ざかるほど, 枯死歩合は高かつた。
9. ナシの根は枯死し易いから主根は棒状を呈するに對し, モモの根は幹近くに稠密な細根を有してゐた。ナシの細根は次第に幹より遠ざかるが, 根頭より旺盛な根を再生することがあるのを認めた。
10. モモの主根の年輪により一年間に2.5m伸長したと認むべきものがあつた。梨の根では年輪を明確に讀むことが出來なかつた。
11. 砂土内の腐植質の状態は根系の發達に顯著な影響を及ぼし, 從つて地上部の成長に大なる相違を呈せしめてゐた。
訂正日: 2007/05/31
訂正理由: -
訂正箇所: 引用文献情報
訂正内容: 訂正前 : 1) 板野 新夫: 土壤微生物學. 79-81, 昭和6年
2) 井上 頼數: 枇杷の砧木としての共砧と榲〓砧との比較. 園藝之研究, 28: 118-125, 昭和6年
3) 植村恒三郎: 邦領樺太北部原生林に於けるエゾマツトドマツの更新及び根系に關する研究. 九州帝國大學農學部演習林報告, 2, 昭和7年
4) 大塚 義雄: 苹果樹の根群の分布に就て. 農業及園藝, 8: 2341-2350, 昭和8年
5) 菊池 秋雄•井口透: 生體重及化學的成分を主體とせる果樹のT-R率に就て. 園藝學研究集録, 1: 1-37, 昭和9年
6) 藤村 次郎: 果樹根系の文獻的研究. 三重高等農林學校學術報告, 3: 25-49, 昭和8年
訂正後 : (1) 板野新夫:土壌微生物學, 79-81,昭和6年
(2) 井上頼數:枇杷の砧木としての共砧と榲悖砧との比較・園藝之研究, 28: 118-125,昭和6年
(3) 植村恒三郎:邦領樺太北部原生林に於けるエゾマツトドマツの更新及び根系に關する研究.九州帝國大學農學部演習林報告, 2,昭和7年
(4) 大塚義雄:苹果樹の根群の分布に就て.農業及園藝, 8: 2341-2350,昭和8年
(5) 菊池秋雄・井口透:生體重及化學的成分を主體とせる果樹のT-R率に就て.園藝學研究集録, 1: 1-37,昭和9年
(6) 藤村次郎:果樹根系の文獻的研究.三重高等農林學校學術報告, 3: 25-49,昭和8年
訂正日: 2007/05/31
訂正理由: -
訂正箇所: PDFファイル
訂正内容: -
訂正日: 2007/05/31
訂正理由: -
訂正箇所: 引用文献情報
訂正内容: 訂正前 : (1) 板野新夫:土壌微生物學, 79-81,昭和6年
(2) 井上頼數:枇杷の砧木としての共砧と榲悖砧との比較・園藝之研究, 28: 118-125,昭和6年
(3) 植村恒三郎:邦領樺太北部原生林に於けるエゾマツトドマツの更新及び根系に關する研究.九州帝國大學農學部演習林報告, 2,昭和7年
(4) 大塚義雄:苹果樹の根群の分布に就て.農業及園藝, 8: 2341-2350,昭和8年
(5) 菊池秋雄・井口透:生體重及化學的成分を主體とせる果樹のT-R率に就て.園藝學研究集録, 1: 1-37,昭和9年
(6) 藤村次郎:果樹根系の文獻的研究.三重高等農林學校學術報告, 3: 25-49,昭和8年
訂正後 : (1) 板野新夫:土壌微生物學, 79-81,昭和6年
(2) 井上頼數:枇杷の砧木としての共砧と榲悖砧との比較. 園藝之研究, 28: 118-125,昭和6年
(3) 植村恒三郎:邦領樺太北部原生林に於けるエゾマツトドマツの更新及び根系に關する研究.九州帝國大學農學部演習林報告, 2,昭和7年
(4) 大塚義雄:苹果樹の根群の分布に就て.農業及園藝, 8: 2341-2350,昭和8年
(5) 菊池秋雄・井口透:生體重及化學的成分を主體とせる果樹のT-R率に就て.園藝學研究集録, 1: 1-37,昭和9年
(6) 藤村次郎:果樹根系の文獻的研究.三重高等農林學校學術報告, 3: 25-49,昭和8年
訂正日: 2007/05/31
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訂正箇所: PDFファイル
訂正内容: -
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