抄録
キウイフルーツの雄株品種‘マチュア’の花粉を用いて発芽に関する実験を行った.
1. 花粉発芽の適温は30°Cで, 花粉管伸長のそれは25°Cであった.
2. 発芽床に添加する糖の種類では蔗糖が最もよく, 次いでブドウ糖であり, 果糖が最も劣った. 蔗糖は5~15%の範囲が発芽率, 花粉管伸長ともに良好であった.
3. pH4の発芽床で花粉発芽率, 花粉管伸長とも良好であった.
4. 蔗糖を含む寒天培地へのホウ酸添加は花粉管の伸長に効果的であった.
5. シリカゲル乾燥花粉は4°C条件下で2週間程度の貯蔵が可能であった. 一方, 4°C下でヘキサンに浸漬貯蔵した花粉は, 1年後でも高い発芽率を示した.